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わかってはいても何度も何度も同じことを聞かれると辛いケース

 

N・Sさんのお宅では、デイサービスを利用なさっていました。

デイサービスとは、通所介護のことです。

具体的にご説明しますと、日帰りで施設に通い、

食事や入浴など日常生活上の介護や、

歩く、食器を使いこなす、着替える等

といった、なるべく自分でできることを継続して頂くための機能訓練等を受けることのできるサービスのことです。

施設でレクリエーション等を通して楽しく他の利用者と接することで、

人とのコミュニケーショや繋がりができ、引きこもりや孤立を防ぎます

また介護をする家族にとっても負担を軽減することができます。

 

では、当時74歳の初期アルツハイマー型認知症のお母さまを介護していた、

N・Sさんからお話して頂いたことを共有したく思います。

 

何度も何度も同じことを聞かれ、しまいにはついつい怒鳴ってしまうことが悩みだったと打ち明けてくれました。

 「OO苑(デイサービス)へ行くのは、いつだったかしら?」

 「お母さん、今日ですよ」

 「そうだったわね。OO苑へ行くのは今日でしたね。行くのがおっくうだわ」

そしてまた、何分もしないうちに、「OO苑(デイサービス)へ行くのは、今日だったかしら?」と、

さきほどの受け答えを忘れて、同じことを何度も尋ねてきたり言ったりするのだそうです。

 

 N・Sさんは、2回3回なら我慢もできますが、お母さまは10回20回も聞く場合もあり、我慢も限界になり、

もう何回言ったらわかるんですか!」と怒ってしまうとのことでした。

前日からあらかじめ「明日は、OO苑(デイサービス)へ行く日ですからね」と言っておいても、

よけいに気になるのか、聞く回数がむしろ増えてしまうそうです。

 

「認知症だから仕方ない」ではなく、その裏にある気持ちを理解してあげましょう

気持ちを理解してあげた声がけをするといい?

 

 アルツハイマー型認知症は、「新しいことを覚えるのが苦手になる」という記憶障害がその特徴です。

アルツハイマーが進行すると、昔の記憶ほど残っていますが、

つい最近の新しいことを記憶に留めておくことがとても苦手になります。

そして同じことを繰り返し話すようになります。

ですから、その症状の初期でも、

先ほど自分が言ったことを忘れてしまい、何度も同じことを聞いたり、言ったりしてしまいます。

(認知症の後期にさしかかった私の母に「いま目の前にいる人は誰?」と聞くと

(娘である私に)「お前誰だ?」と返された時は泣いたことを思い出すそうです。)

 

 

何度も聞いてしまう原因としては、デイサービスに行くのが面倒だというより、

何か気になることがあったり、不安な気持ちがあることが多いものです。

介護している方も人間ですので、

何回も同じことを聞かれたり、言われたりすると、怒ってしまうのも分かりますが、

「さっきも言ったでしょ」「もうそれ聞くのこれで10回目よ。何回聞くの」と本人を責める言い方をすると、

よけいに混乱します。本人には記憶ではなく感情が残ります

不安な気持ちができるだけやわらぐよう声をかけてあげてください。

 

デイサービスを嫌がる理由を知ろう

不安の裏に隠れているものとは

たとえば、「自分はまだ年寄り扱いされたくない」であったり、

お金の面や、介護スタッフ(他人)に「人に迷惑をかけたくない」あるいは、

ひとりになりたくない」など理由は様々です。

そのため、デイサービスに【家族が一緒に行ってみる】ということが効果的です。

デイサービスを利用するとしても、その利用中にご家族の方が隣にいてあげるのです。

そうすると「仲の良い人ができないのかな?」と気づいたときは、他の利用者との仲介人になって、

仲良くなるきっかけをつくってあげる。

「介護スタッフに頼み事をするときに申し訳なさそう」だと気づいたときは、

介護スタッフさんを隣に呼んで、「うちの母はどうですか?」と聞くと、

にこやかにいろいろと答えてくれるでしょう。

そうするとその隣で聞いているあなたのお母さんは「なるほど、OOさんはこんなことを思ってくれていたのか」

と介護スタッフさんの心のうちがわかって、心を許すようになるはずです。

このようにデイサービスへ行くのを面倒、おっくうと嫌がる理由を施設で一緒に過ごすことで理解し、

慣れるまではご家族の方が付き添ってあげることが有効です。

知らない人がいない空間に突然置かれるというのは、不安な気持ちになって当然です。

そして、他の利用者や介護スタッフの方と打ち解けてきたな。と思ったら一緒に施設で過ごす時間を

徐々に短くしていき、ゆくゆくはひとりでも問題なくいられるようにしていきましょう。

このように家族の方の工夫や気遣いで変化をしていけるのです。

 

このお母さまに限らず、デイサービスを嫌がる高齢者の方が大半です。

その際に、すぐに諦めるのではなく、このようになぜ嫌がっているかを理解し、その原因を

ひとつずつ、ひとつずつ、解決していくことでスムーズに通えるようにお手伝いするのです。

デイサービスに行く日に「今日はOOさんと会う日ですよ♪」と声がけすることで、

楽しみなことだと認識してもらえるはずです。

これは一緒に施設で隣で過ごしてあげたならではの声がけですね。)

 

N・Sさんのその後

N・Sさんは結局、このままではお母さんを、言ってだめなら叩いて黙らせたくなる自分に気づき

このままではいけないと思ったそうです。

母を大事に思うからこそ、そして大事に思い続けるためにも、介護施設への入所を決めました。」とお話されていました。

 

 






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